村上春樹「雨天炎天」を読む。

 さて、今年も逃しましたね。村上春樹ノーベル賞。


 ノーベル賞落選、ホテルの話題もちょこっとあり、今読んでいることもあり取り上げることにしましたね。
  
 小説ではなく、紀行文です(新潮文庫)。カメラマン(編集者)と二人でのタフな冒険の旅?
 ギリシャ編とトルコ編に分かれており、ギリシャ編は、ギリシャ版お遍路といった感じです。これはこれで面白かったですね。

 でも、より興味深かったのはトルコ編で、タイトルは「チャイと兵隊と羊―21日間トルコ一周」。カメラマンと二人で、しかも車で(村上も運転する)、トルコを一周するというものです。
 チャイとは紅茶で、チャイハネが至る所にあり、安い。トルコを旅していると体がチャイを求めてしまうらしいです。兵隊は、クルド人問題を抱え、かつ周りは仲の良くないくのばかりで兵隊(警察官含む)がうようよいるらしいことを指しています。そして、中東ですので肉といえば、羊、羊、羊だらけ。村上の小説の中では羊は重要なファクターのようですが、羊肉は得意じゃないようです。
 
 いや、現在のシリア情勢やISの事を考えると、いまではとても無理な旅ですね。発売されたのが1990年らしいので、おそらく80年代に旅をしたと思われます。それでも、クルド人問題もあっただろうし、ソ連とは常に緊張状態だった相当きな臭い状況だと思います。

 さて、いくつかホテルに絡んだ、エピソードを取り上げます。

 【ヴァン猫】ヴァン猫がいるヴァン湖付近の一見高級そうなホテル、アクマダールホテルに村上一行は飛び込みます。スイートルームしかなく、それでも6,500円とのこと。で、ホテルスタッフの知り合いのヴァン猫を見に行くというもの。この猫、左目と右目の色が違い、ただ泳ぐそれだけの話ですけどね。

 【国道24号線の悪夢】イラク国境から、シリア国境沿いに進む産業道路でタンクローリーが列をなして、石油をはこんでいるというもの。これも昨今の状況だと今も続いているのか分りません。
 片側1車線で、のろのろのタンクローリーの中で運転するつらさを村上は訴えます。
 で、街道沿いの、ギネシホテルに一行は泊まります。 共用のシャワー室があるのですが、赤いコックが水で、青いコックがお湯とのこと。知らなかったので、お湯が出ない(途上国ではよくあること?)ことをののしり、最後に気づいたという落ちらしいです。

 私が書くとつまんないのですが、軽いタッチで村上ワールド全開で楽しめると思います。

 まあ、ノーベル賞はもう無理だろうと思う頃(5年くらい先?)にとるんじゃないですかね。

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